プロセキュート
 ※第2期
【第7回実施内容】 ※通算29回
テーマ: 顧客価値と顧客満足
実施日時: 2006年2月3日(土)14:00〜17:00
会場: 西武池袋線中村橋駅・徒歩5分
【主宰者から一言】
「市場が存在することが企業活動ができる前提条件である」
このように表現することに多くの人は異存はないと思う。では市場が存在するということを、もう少し具体的、現場的な状況表現に変えてみよう。そのことで具体的アクションへのイメージができてくる。
前回(第6回)までに市場細分化、異なる市場の捉え方という視点も随所に出てきているが、その基本となる市場を顧客の立場から再検証することが重要である。
その欠かせない切り口のひとつが「顧客満足」であり「顧客価値」である。
言い古されたことであるが、かつてピータードラッカーは「顧客を創り出すこと」が企業が最初に着手する仕事であると言い放って一世を風靡した。またそのように断言するマーケターや企業経営者も多く存在し、経営のセオリーであるかのように思われている節もある。
しかしあえて疑問を呈したい。果たしてそうだろうか?
私も「4段階の顧客づくり」という考え方を提唱しているが、それには欠かせない大前提がある。従来から使われているビジネスワードを検証しつつ、顧客とは?価値とは?という視点でディスカッションを進めました。
■当日の実施内容
時間帯 テーマ・内容
14:00 〜  前回実施内容の確認
14:20 〜  顧客の受取り価値
   高い顧客満足とは
   IT業界の現状
   生涯価値でみるということの本質
16:00 〜  高業績ビジネスの特徴とビジョナリー・カンパニー 
■今回のポイント
市場を形成するためには価値の交換が必須条件となることは前回のセミナーでも確認をしましたが、その大きな構成要素である顧客にとっての価値は何によって価値があると認知評価されるのでしょうか。
業界や業態の違いに左右されない本質的な決定要素の検証とともに、個々の企業においてどのように捉えられていて、それが妥当であるのかどうかという視点でディスカッションを進めました。
そもそも顧客(お客様)とは何かという疑問も提示がありました。それは企業は誰のために存在するのかというテーゼとも通じるものがあるでしょう。現存する企業においては「何を言わんとしているか」という疑問を感じるケースが多く見受けます。さほど遠くない先に経営悪化を招くであろう企業を指摘しつつ、企業存在の目的もディスカッションしました。

顧客が期待を形成する過程においては、事業経営者として心しなければならない要素が積み上げられていきます。ロイヤリティを形成しながら継続ユーザーとなるか、他社に乗り換えるかは、一つ一つの小さな接触の結果であり、他社へ乗換えは一つの事件(事業経営者まで届かないことも多い)で決定されることを自覚しなければなりません。そうした事態を防ぐ、もしくは失敗を活かすための手法を紹介。中でも「失った顧客」を分析することの重要性と現実を検証しました。
アウトソーシングの難しさと現状についても話題になりました。コアコンピタンスがひとつの判断材料となるわけですが、現実的には他社がまねをできないような核となる技術やノウハウがある分野についてはアウトソーシングすることは検討さえされないわけで、アウトソーシングという言葉に踊らされた感を否めないでしょう。こうした事例は現在でも随所に存在しており、目新しいマーケティング手法や経営理論というのは心して検証しなければならないという戒めだと感じます。

高業績ビジネスは重要なテーマです。ただし業績のみが一人歩きしたのでは本末転倒しかねず、事実そのような企業が多く存在します。
ジェームズ・コリンズとジェリー・ポラスが提唱したビジョナリー・カンパニーの理念を通して、事業の在り方を検証、ディスカッションしました。

※今回予定していた内容のうち時間の都合で割愛もしくは概要のみの紹介となった、リレーションシップマーケティング、顧客の収益性およびトータルクオリティマネジメントの各内容は次回内容に組み込んむ予定です。
※今回は、受講者の在籍する企業に加えて、ソフトバンク、ブックオフ、トステム、ワタミを検証事例としました。
■主な討議テーマ
■ 顧客価値(顧客の受取り価値)
 → 総顧客価値と総顧客コスト
■ 顧客満足
■ 購買者が期待を形成する過程
■ 顧客満足を追跡するための4つの手法
■ 高業績ビジネスの特徴
 → 利害関係者
 → 業務プロセスの管理と連携
 → 資源
 → 組織
 ※ アウトソーシング成功の要素
 ※ コア・コンピタンスと固有のケイパビリティ
 ※ 組織の方針と企業文化
■ ビジョナリー・カンパニー
■ 顧客価値と顧客満足を創出し提供するために
 → 価値連鎖
 → 価値提供ネットワーク
■ 顧客の引きつけと維持
 → 顧客のひきつけ
 → 新規顧客獲得と顧客維持
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