プロセキュート
 ※第2期
【第13回実施内容】 ※通算35回
テーマ: 『競争への対処』
実施日時: 2007年8月4日(土)14:00〜17:00
会場: サンライフ練馬
西武池袋線中村橋駅・徒歩5分
参加費 : 350円(会場費・資料コピー代にあてさせていただきます)
懇親会 : 終了後希望者で懇親会を行います(会費2000円程度)
【主宰者から一言】
前2回で、消費者市場とビジネス市場の力学を分析考察してきた。そうした市場特性の分析を踏まえながら、それぞれの市場における自社のポジショニングをみていきたい。
その中で大きな意味を持ってくるのが、競合他社との競争への対処である。
あくまでも市場と顧客満足を追求しながら、競合相手にも優位なポジションをとっていくことが企業経営を継続させていく重要な要素である。
今回は、ポジショニングの基本的考え方を確実に理解し、現実の問題にいかに対処するのかをディスカッションしていきたい。
■当日の予定スケジュール
時間帯 テーマ・内容
14:00 〜 競合他社を特定する
14:30 〜 競合他社を分析する
15:30 〜 競合他社への戦略を決定する
16:30 〜 競争戦略を設計する
■今回のポイント
ほとんどの企業において、競合他社が存在している。自社がリーダー企業の場合もあれば、フォロワーやチャレンジャー企業になっている場合もある。共通していることは、どのような企業であれ、日常的に競争を対峙している事実である。
企業活動の根本理念は顧客志向である。その大前提と競合他社への対処は常に並行して行なわれなければならない。
競争を嫌むのではなく、競争そのものを、価値的な企業活動を展開していく大切な実力養成の機会と捉えてステップアップしていくことが、経営者として重要である。
■主なテーマ
競争の果たす役割と、企業が競合他社に対してどのようなポジションをとるのか
「市場ないし市場セグメントに内在する長期的な収益上の魅力を決定する要因は業界内の競合他社、潜在的参入者、代替品、買い手、供給業者である」(マイケル・ポーター)
1) 激しいセグメント内の脅威
2) 新規参入の脅威
3) 代替品の脅威
4) 買い手の交渉力増大の脅威
5) 供給業者の交渉力増大の脅威

競合他社の特定
企業の顕在的、潜在的な競合他社は、はるかに広範囲に及ぶ。
■競争と業界
業界:互いに代替性の高い製品あるいは製品グループを提供する企業の集団。

売り手の数と製品差別化からみた業界構造の4分類
@純粋独占
A寡占
B独占的競争
C純粋競争

業界の大きな障害
@参入障害
A移動障害
B退出障害

コスト構造
垂直的統合の程度
グローバル化の程度

■市場から見た競争
同じ顧客のニーズを満足させる企業が、競合他社である。

競合他社の分析
■戦略
戦略グループ:特定の標的市場において、同じ戦略をとっている一群の企業。
工夫に富む競争相手は、時と共に戦略を修正していく。
■目的
各競合他社は市場において何を求めているのか、行動の動機は何か。
→企業は利益を最大にするべく努力している。
・長期的利益 ・・・ 市場シェアの最大化モデル
・短期的利益 ・・・ 短期的利益の最大化モデル
→企業は複数の目的を追求している。
企業の規模、歴史、現在の経営陣、財務状況などの諸要因によって、企業の目的は決定される。
■強みと弱み
企業が戦略を実行して目標を達成できるかどうかは、企業の持つ資源と能力に左右される。
6種類の競争ポジション
@支配
A強大
B有望
C存続可能
D弱小
E存続不可能

競合他社を分析する3つの変数(シェア)
@市場シェア
Aマインドシェア
Bハートシェア

●ベンチマーキングの活用
ある業務を適切に遂行している企業から学ぶ手法。
ベスト・プラクティス
ベンチマーキングの7ステップ
(1) どの要素をBMとすべきか決定する。
(2) パフォーマンスを測定すべき主要項目を明確にする。
(3) そのクラスで最良の企業を選ぶ。
(4) 自社のパフォーマンスを測定する。
(5) その差(ギャップ)を埋めるための計画と行動を明確にする。
(6) 実施してその結果を監視する。
「競争を甘く見てはいけない。その傲慢さが巡りめぐって自分を傷つけることになりうるからだ」(トム・ステンバーグ)

■反応パターン
1) 反応が遅い(または反応しない)競合他社
2) 選択的な反応をする競合他社
3) 凶暴な反応をする競合他社
4) 確率論的な反応をする競合他社

業界の競争均衡理論(ブルース・ヘンダーソン)
@競合企業が殆ど均一で、同様のやり方で収入を得ているならば、その競争均衡は不安定である。
A決定的要因が1つであれば、競争均衡は不安定である。
B決定的要因が複数であれば、各企業は何らかの優位性を保つことができる。(競合セグメント)
C決定的な競争変数が少ないほど、競合企業の数は少なくなる。
D2社間の市場シェアは2対1が均衡点とされ、そのときは何れの企業においても、拡大も縮小も現実的ではない。

競争的インテリジェンス・システムの設計
■4つの主要ステップ
1) システムの立上げ
2) データの収集
3) データの評価と分析
4) 情報の伝達と質問への回答

■攻撃すべき競合他社と避けるべき競合他社の選択
顧客価値分析
1) 顧客価値の主要属性を決定する。
2) 各属性の重要度を量的に評価する。
3) 各属性に対する顧客価値に基づき、自社と競合他社のパフォーマンスを評価する。
4) 特定セグメントにおいて、顧客が主要競合他社と比較して自社をどう評価しているのか、 属性ごとに調査する。
5) 継続的に顧客価値を監視する。

競合他社の分析
→強い競合他社か、弱い競合他社か
→近い競合他社か、遠い競合他社か
→良い競合他社か、悪い競合他社か

競争戦略の設計
■マーケット・リーダーの戦略
ナンバーワンを維持する行動態度
@ 全体市場の需要を拡大する方法を見つけなければならない。
A 優れた防御行動と攻撃行動によって、現在の市場シェアを守らなければならない。
B 市場規模が一定であっても、自社の市場シェアをさらに増やす努力をしなければならない。

◆全体市場の拡大
1) 新規ユーザー
@ 市場浸透戦略
A 新市場セグメント戦略
B 地理的拡大戦略
2) 新しい用途
3) 使用量の増加

◆市場シェアの防衛
支配的企業は、常にライバル企業からの攻撃にさらされている。
最も前向きな対応は、絶えざるイノベーションである。
放棄しても良い分野があるか、損をしてでも守らなければならない分野は何か。
防御戦略の目的:攻撃の可能性を減らし、攻撃を脅威の少ない領域にそらし、攻撃力を弱める。

6つの防御戦略
@ ポジション防御
自社の領域の周囲に堅固な砦を築く。
A 側面防御
弱い分野を守り、時として反撃のための侵略拠点となる前哨基地を築く。
B 先制防御
競合他社が攻撃をしてくる前に攻撃することが、より積極的な防御である。
C 反攻防御
競合他社から攻撃を受けたら、反撃を行なう。
反攻防御のパターン
(1)攻撃企業の主要領域への侵入
(2)経済的、政治的な影響力を行使して攻撃企業を思いとどまらせる
D 移動防御
将来的に攻守の要となる新しい領域にドメインを広げる。
ドメイン拡大は、市場拡大と多角化によって行なわれる。
(1)市場拡大
既存製品から潜在的な一般的ニーズに軸を移す。
・目標の原則
・マスの原則
(2)多角化
E 縮小防御
全ての領域は防御できないときは、計画的縮小(戦略的撤退)を選択する。

◆市場シェアの拡大
「市場シェアが40%以上の企業は平均30%のROIをあげている。
市場シェアが10%未満の企業の平均的なROIは10%にすぎない。」(PIMSレポート)

標的市場における競合他社に対する相対的シェアが増すほど、収益性が高まる。
→市場シェアを拡大する際の3つの留意点
(1)独占禁止法に抵触する危険性
(2)経済コスト
それぞれの市場において最適市場シェアが存在する。
(3)間違ったマーケティングミックスを実行し、そのために収益を増やせない可能性

市場シェア拡大の3要素
・新製品開発活動
・製品の相対的価値(品質)の向上
・マーケティング努力への投下
値下げは企業努力による市場シェア拡大ではない。

■マーケット・チャレンジャーの戦略
戦略目的と攻撃対象の特定
@ マーケット・リーダーを攻撃する
A 規模が自社と同程度で、仕事ぶりが芳しくなく、財源が不足している企業を攻撃する
B 小規模な地方企業を攻撃する

一般的な攻撃戦略の選択
@ 正面攻撃
A 側面攻撃
B 包囲攻撃
C 迂回攻撃
D ゲリラ攻撃

具体的な攻撃戦略の選択
ポジションを長期にわたって向上させるための戦略をいかに組み合わせるか。
@ 価格引下げ
戦略を満たす条件
自社製品がリーダー企業の製品と同等であると、買い手を納得させられる。
買い手が価格に敏感である。
競合他社の攻撃にもかかわらずリーダー企業が価格引下げを拒むことが予測される。
A 廉価品
B 高級品
C 製品増殖
D 製品イノベーション
E サービス向上
F 流通イノベーション
G 製造コストの削減
H 広告プロモーションの強化

■マーケット・フォロワーの戦略
「製品イミテーション戦略は、製品イノベーション戦略と同等の利益を生み出すことがある」
(セオドア・レビット)
フォロワーはおそらくリーダーを追い抜くことはできないが、イノベーション費用を負担しないために高い収益をあげることができる。

4つの一般的戦略
@カウンターフィター
Aクローナー
Bイミテーター
Cアダプター

■マーケット・ニッチャーの戦略
小さな企業は、大企業にとって少し、あるいはまったく利益がない小規模市場をターゲットにすることで大企業との競争を避けて利益をあげることができる。
ニッチ戦略を選択したら、継続的に新しいニッチを創出しなければならない。
単一ニッチ戦略よりも複数ニッチ戦略が望ましい。

ニッチ市場で生き抜くキーワードは「専門化」。
@ エンドユーザー専門化企業
A 垂直レベル専門化企業
B 顧客サイズ専門化企業
C 特定顧客専門化企業
D 地理的専門企業
E 製品または製品ライン専門化企業
F 製品特徴専門家企業
G 注文制作専門化企業
H 品質・価格専門化企業
I チャネル専門化企業

※チャレンジャー、フォロワーのいずれの戦略をとるべきか?
(チャレンジャーとしての戦いで得られるものがあるか)

顧客志向と競合他社志向とのバランス

【事例:優れたマーケットリーダー企業の実態とその後】
※P&G社
※キャタピラー社

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