プロセキュート
【第6回】主な実施内容
テーマ : 『93年』(ヴィクトル・ユゴー Vivtor Hugo )
実施日時: 2005年9月17日(土)15:00〜17:00
今回取り上げた書籍はヴィクトルユゴー作『93年』です。
題名の「93年」はフランス革命の真っ只中の1793年のことです。この年にバスティーユは陥落し、国王ルイ16世は後世に鳴り響いたギヨチーヌ(ギロチン)で処刑され共和国政府が誕生します。

私達が思い描く「共和国」とはどのような世界でしょうか。この『93年』に描かれる共和国は恐怖政治そのものです。
歴史の教科書でも悪名高いロベスピエールをはじめとする共和国軍と復活を目論む王党派の戦い。そして圧巻はゴーヴァンとシムールダンの葛藤とその行動です。

このような視点でディスカッションできればと思ったのですが参加者の関心分野もいろいろあって、なかなか予定通りには進まずで(^_^;)3時間に延長しましたが後半の部分は駆け足になってしまいました。
特にフランス革命そのものをある程度理解しておかないとストーリーの真意がわからないということもあり、フランス革命とヴァンデの戦いについてレクチャーを行ったのですがここの部分で1時間たっぷりかかってしまいました(^_^;)

またユゴーの生い立ちなども触れたかったのですが、この点は時間がないので資料の配布のみとなりました。

自由・平等・平和を標榜したフランス革命は歴史に輝く民衆勝利の革命と思っていましたが、民主のための革命という言葉に包まれた真実は権力に就いた者たちの魔性に食い破られる人間臭い悲劇の歴史でもあると感じました。
真の自治を求めて戦い続けたヴァンデの庶民達の来し方、そしてこれからの行く末を想像すると決して明るい展望はできなかったことは、その後の歴史が如実に物語っています。

それぞれ象徴的に描かれた登場人物。ゴーヴァンとシムールダンの葛藤の中から私達は何を見出すことができるでしょうか。
「もっと名作と呼ばれる作品を読まなければならない」そう感じさせられた一冊です。

ユゴー略歴 フランスの詩人・小説家。ロマン派最後の巨匠。日本では小説家として有名詩人としても名高い。
1802年プザンゾンで軍人の子として生まれ、パリで学ぶ。
1817年アカデミーの懸賞論文に入選。
1822年処女詩集『オードその他』で詩人としてデビューする。
その後『クロムウェル』『エルナニ』などで名声を獲得し、オルレアン王家の庇護を受けた。
政治活動にも身をおき、1845年上院議員となる。
1848年の二月革命後は共和派として憲法制定議会や立法議会議員に選出された。
ユゴーはナポレオン1世の崇拝者であったがルイ・ナポレオン(のちのナポレオン3世)に反対の立場をとり、1851年ルイがクーデタを起こし政権を掌握、52年にベルギーに亡命、次にジャージー島、ガーンジー島に移住しオートヴィルハウスでルイ告発を続ける。
1870年普仏戦争で第二帝政が崩壊するとフランスに帰国し、国会議員や上院議員として活躍した。
1885年に死去。国葬。代表作は他に『レ・ミゼラブル』『懲罰詩集』など。
フランス革命 ブルボン王朝(ルイ王朝)国王・僧侶・貴族の階級が謳歌した時代。
財政的な行き詰まりから体制内で貴族が反乱を起こしたのが引き金となり第3身分(市民・農民)が台頭し始める。
「全ての人が自由・平等・友愛を持ち、人権が守られなければならない」
国王に首を刎ねたことで外国からの侵攻が激化する。
(別途年表あり)
ディスカッションの主なテーマ:
・ビクトルユゴーの生涯と作品
・フランス革命の概要
・『93年』を貫くユゴーの思い
・フランス革命の掲げる理想と恐怖政治の現実
・既成概念としての「王党派=悪」「共和政府=善」
・船上でのラントナック公爵の下した賞罰の意味するもの
・かみ合わない議論の本質
・母親の叫びと子供たちが果たす役割
・シムールダンの精神を形作る根源とは
・落城寸前にとったラントナック公爵の行動の意味するものとは
・ゴーヴァンの心の葛藤
・シムールダンの自殺が象徴する人間としての行動とは
・ゴーヴァンとシムールダンを分かつ要因は何か  他
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