プロセキュート
【第37回桂冠塾】実施内容
今月の本: 『こころ』(夏目漱石)
実施日時: 2008年4月26日(土)14:00〜17:00
今月の会場: 勤労福祉会館 第二和室
西武池袋線大泉学園駅・徒歩3分
今回取り上げる作品は夏目漱石の『こころ』。日本人なら誰もが知っている夏目漱石。彼の代表作のひとつが『こころ』である。

作品は「上 先生と私」「中 両親と私」「下 先生と遺書」の三章から構成されている。作品の主題が最も反映しているのが「先生と遺書」であることは漱石自身も記述している。

生と死が大きなテーマとして描かれる本書。遺書という言葉からもわかるとおり、主人公の「私」が先生と呼んでいる人物の死は自殺によってもたらされた。その自殺は過去に自殺した人物とそれにまつわる出来事、心の葛藤に起因している...。
生と死という人生における根本的命題に、この作品はどのように迫っているのだろうか。
果たして夏目漱石の作品とはいかなる評価がなされるべきか。
書店を見ると「文豪・夏目漱石」という言葉も踊っている。
その実態はどうか。
以前より、この点について、私は大いなる疑問を持っている。

日本における一人称小説の第一人者とも言われる夏目漱石の作品をじっくりと読んでみたいと思います。


http://prosecute.way-nifty.com/blog/2008/04/37_5daf.html

【当日配布の資料より】

T.作者:夏目漱石(なつめそうせき)

慶応3年1月5日〈旧暦〉(1867年2月9日〜大正5年(1916年)12月9日)〈新暦〉
小説家、評論家、英文学者。本名、金之助。『吾輩は猫である』『こゝろ』などの作品で広く知られる、森鴎外と並ぶ明治・大正時代の大文豪である。江戸の牛込馬場下横町(現在の東京都新宿区喜久井町)出身。俳号は愚陀仏。

大学時代に正岡子規と出会い、俳句を学ぶ。帝国大学英文科卒業後、松山中学などの教師を務めた後、イギリスへ留学。帰国後東大講師を勤めながら、「吾輩は猫である」を雑誌『ホトトギス』に発表。これが評判になり「坊つちやん」「倫敦塔」などを書く。
その後朝日新聞社に入社し、専属契約の作家として「虞美人草」「三四郎」などを掲載。当初は余裕派と呼ばれた。
「修善寺の大患」後は、『行人』『こゝろ』『硝子戸の中』などを執筆。晩年「則天去私」の心境を語ったといわれる。終生、神経衰弱と胃潰瘍に悩まされ、「明暗」が絶筆となった。

U.『こころ』あらすじ

上 先生と私

鎌倉の海岸で「先生」と出会った「私」は、先生の自宅を訪ねるようになる。
先生は仕事をすることもなく、人との交流もない。雑司が谷にある友人の墓に深い因縁があるらしい。一方、私の故郷では父親が腎臓病を悪化させたため、一時帰国する。幸い生死を彷徨うようなことはなく、私は卒業論文に取り組む。財産の処分をよく行なうように助言する先生の過去には深い因縁があるようだが、今は話せない、適当の時機がくれば必ず私に話すという。
先生の助言を得ながら卒業論文を仕上げて無事卒業した私は職に就くこともなく、故郷に帰省することにした。

中 両親と私

帰省した私は、小康状態を続ける父親のそばで過ごす。
親族を集めて卒業祝い宴の準備が進められるが、明治天皇の崩御の報が入り行なわないことになる。その間、就職を依頼しろという両親の勧めもあり、先生に書簡を送るがなかなか返信が届かず「ちょっと会いたいが来れるか」との電報が届く。乃木大将が明治天皇に殉じて自害。父親の容態は徐々に確実に衰弱していく。余命いくばくかとなり、子供達が集った最中、私の元へ先生からの手紙が届く。遺書だった。
私は東京行きの汽車に飛び乗り、先生からの手紙に目を通す。

下 先生と遺書

先生はこの手紙(遺書)を書き出すに至る経緯を述べた後、両親を亡くした10代後半から書き起こす。叔父の横領と決別。未亡人と娘(御嬢さん)の住む家に下宿した経緯を綴り、その後その家に経済的に行き詰った友人Kを同居させる。家族の温かさに触れ精神的に開かれていくKが御嬢さんに恋しているのではないかと疑心暗鬼になる私の心象風景が描かれる。
ついにKから私に御嬢さんへの思いが告げられるが、私は自分の気持ちを明かさず、Kに精神的打撃を加えることを画策。望みどおりにKを打ちのめした私は即座に未亡人に御嬢さんとの結婚を申入れ、受諾される。その数日後、未亡人からその事実を告げられたK。通常を変わらぬ生活を送るが夜半自室にて自殺する。
私は、実家から事実上勘当されたKの葬儀を全て行い、生前Kが口にしていた雑司が谷に墓を建てる。2ケ月後私は大学を卒業し、卒業から半年後に御嬢さんと結婚した。
私は妻にも誰にもKとの経緯を話すことなく現在に至った。明治天皇の崩御に際して妻の言葉の殉死が意味を成してきて、この手紙を書き終えて自殺することにした。

V.『こころ』と夏目漱石 いくつかの論点

『こころ』のテーマ、モチーフとは何か
作品を通じて感じる校正の荒さ
文脈的な明らかな矛盾をどのように考えるか
夏目漱石にとっての文学とは
夏目漱石が有する哲学、信念、生き様とは何か
果たして、夏目漱石は文豪なのか
奥さんの感情の変遷はどうなのか

【参考文献】
伝記・世界を変えた人々20「夏目漱石」
夏目漱石「こゝろ」を読みなおす
別冊太陽・日本のこころ32「夏目漱石」
日本人が知らない夏目漱石


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