昭和20年9月17日。
第二次世界大戦の敗北に沈む日本列島を大型台風が襲った。死者2,473人、行方不明者1,283人、負傷者2,452人を記録した「枕崎台風」である。
しかしその被害の詳細が日本人の記憶として語り継がれているとは言い難い。全被害者のうち半数をはるかに超える2000人余りの死者行方不明者が広島県下であったことは余り知られていない。台風が直接上陸した九州地方よりもはるかに大きな被害者が出た。
原爆投下から1ケ月余りの広島で何が起こっていたのか。その時、気象台員は、そして広島にいた人達たちはどのように行動したのか。
昭和20年終戦前後の広島で起きた2つの災害を生き抜いた人達の実態を、証言を収集する気象台員達の姿を、また原爆被害者の救援に駆け付けながらも自然災害に飲みこまれていった人達の姿を通して描き出した作品です。 |