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プロセキュート
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第一回 第二回 第三回 第四回 第五回 第六回 第七回 第八回 挿話
《第三話》自店の課題要因を探る分析ポイントを公開
〔全体把握とセグメントの効果〕
有限会社プロセキュート代表取締役 畑森昭
1963年岡山県生まれ。トステム物流株式会社勤務後、マーケティングリサーチ会社を経て1996年4月有限会社プロセキュート設立。マーケティングにとどまらず、経営全般のコンサルティングを実施している。
マーケティングコンサルタント。
前回、アンケート調査の流れを紹介しましたので、今回は具体的な調査を紹介しながら分析のポイントなどを述べてみたいと思います。
 

リピーターにならない要因を探る

一番最近行ったアンケート調査を部分的に紹介します。ある惣菜をネットで販売しているお店です。アンケート調査の目的は「ネット売上を向上させるための方策を探る」こと。中でもリピーター形成のために必要な具体策を見つけ出すことにありました。
お店や企業の売上向上をさせるには3つの要素が必要です。
1. 購買客数を増やす
2. 購買回数を増やす
3. 購買単価を上げる
この3つの要素を組み合わせが売上高の決定要素です。あなたのお店の現状を数字から判断し、どの要素が弱いのかで具体的な方策も変わってきます。
ちなみに上記3点に「利益を上げる」ことを加えた4点を追求することが経営に必要な観点です。

このお店では今までに購買客数の向上と購買単価の引上げの方策を実施し、購買客数は5倍以上、購買単価も約1.5倍に引上げることができましたが、ある金額以上には売上が伸びないのです。そこで売上の内容を分析すると一人当りの購買回数が2回未満、もっと正確にみると1回または2回で購入しなくなるお客様の割合が実に9割を占めることが判明しました。そこで購買回数を増やす前提となるリピーターにならない要因を探り継続して繰り返し購入してもらうための方策を見つけ出すことにしたのです。


回答内容のデータ化でセグメントする

購入者115名にアンケート票を郵送しました。実はここで誤算があったのですが(^_^;)返送されたのは18票のみで全体の15%。最低でも30票以上できれば70〜80票はほしいところです。しかし回収率が低いということも現状のひとつです。
少ない回収票からでも貴重な要因がわかりました。
・ 売り手が思っているほどお客様のロイヤリティはない
・ 購買客は3つの類型に分類される
・ リピート購入しない要素は取扱いアイテムと味の品質とバリエーションにある
ことなどです。

このような要因を探り出すにはちょっとしたコツがあります。それは全体把握とセグメント(層別)です。
まずアンケート票が戻ってきたら回答内容をデータ化しましょう。データ入力できれば質問毎に回答結果が出てきます。(ex.商品単価は67%の人が満足している,39%の人が今後の購入意向があるetc)
おそらくこの全体把握の時点では、売り手としてすでにわかっていることが大半のはずです。


全項目のクロス集計を行なう

本当のデータ分析はここからです。
個々の設問の回答内容を組み合せて回答傾向を見ていきます。「今後購入したくない」と回答した人の「味」「価格」の評価はどうだろう、実際には初回購入のみで現在購入していない人はどんな回答をしているだろうか…などです。これをクロス集計と呼びます。売り手として知りたいのは「買っている人は何に満足を得ているのか」「買わなくなった人はなぜ買わなくなったのか」といったことですよね?それにあわせて全項目をクロス集計していくのです。

今回の例では実際の購買行動と今後の購入意向に大きな隔たりがありました。もちろん模範解答に近い記入をする傾向もお客様にはありますが(^_^;)それを考慮しても何かそこに要因があるはずです。


そこで購買実績と購入意向から回答者を3つに分類(購入希望・非購買=矛盾型、購入希望・購買=一致型A、非購入希望・非購買=一致型B)、各設問のクロス集計を取りました。そうすることによって購入意向があるといいながらも実際には買っていない人の気持ちを推し量ることができる可能性があるからです。今回はそのほかに味の評価が二分されていることなどいくつかの要因をみつけることができました。

具体的な方策を決定し実施

このようにデータ全体をさまざまな角度で層別し隠されている要因を明らかにすることをセグメント(層別)と呼びます。このセグメントの切り口をいかに的確に見つけ出すかがデータ分析のポイントともいえるでしょう。ここで過去の経験が生かされますし、逆に従来のやり方に囚われない発想が重要となります。

こうした現状把握したデータ分析をもとに具体的な実施方策を決定し、即実施することにします。

このように皆さんのお店や企業においてもお客様に行なうアンケート調査<マーケティングリサーチ>が現状把握のための有効な手段であることがわかるかと思います。

次回はお客様へのアンケートのあと具体的に行なうアクションについて書いてみたいと思います。

(第3回終了)

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